政府からの緊急事態宣言を受け、墨麗サロンにおける書道およびペン字レッスンは5月末まですべて休止とさせて頂きます。
あわせて高橋杏華主宰【耳庵塾】のお教室も5月までのお稽古をすべてお休みといたします。なお、休止対応のレッスンは、いつでもご都合の良いタイミングでのグループレッスンもしくはプライベートレッスン、筆跡診断、カウンセリングなどへのお振替に無期限で適用して頂けるよう考えております。こちらは詳細が決定次第、早急にご案内させて頂きます。

このような非常時だからこそ、いつもよりもご自宅で過ごすことが多い今だからこそ、墨を磨り筆を運ぶこと、無心にペンを動かすこと、そのような行為が私たちの心を穏やかにしてくれるのではと思います。そして、文字を書くうえで必ずセットになるのは「言葉」です。古より「言葉」は言霊とも言われるように、霊力つまり神秘的なパワーが宿るとされてきました。そのパワーが宿った素晴らしい言葉の数々を、これまでのレッスンでは皆さまにたくさんたくさんお書き頂いてまいりました。当サロンの「気」が良いと仰って頂くことが多いのは、他でもない皆さま方がいつもそのような言葉を書いて下さっているからだと思っています。改めて心より感謝申し上げるとともに、ぜひ、今までで書き溜めたお清書作品たちをゆっくりとご覧頂けたらとお願い申し上げます。季節を感じる和歌、心を強くしてくれる禅語、大切なことをハッと気づかせてくれる格言、シンプルに美しい情景を詠った詩。などなど。2月の道元禅師の愛の言葉も良かったですよね。

書道のレッスンは、不要不急、生活に不可欠なものではないと真っ先に削られてしまうジャンルである「文化」ではありますが、文化が発展してきた歴史的背景には、必ずと言って良いほど国難がありました。天災、疫病、飢饉、、、。それらを乗り越える精神力を保つために、苦しいことから逃れてささやかな安らぎを求めるために、大切なことを書き記すために、書も含めた文化は発展を遂げてきたのです。今回の事態でも、皆様にとって「書」が少しでも多くの支えや癒しとなりますように。そして皆さまとともに、書を通して豊かな時間を過ごせることと 明るい笑顔で向き合える日の再来を、切に願うばかりです。

最後になりますが、皆さまご自身、そしてご家族やご友人、大切な人たちすべての無病息災を深く深くお祈りしております。